強行法規について|風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
【強行法規】
強行法規とは、当事者の意思にかかわらず、法として画一的に適用される規定をいいます。強行法、強行規定ともいいます。 対して、契約などによって変更することが認められている規定は任意法規(任意法、任意規定)といいます。
※契約書を作成するにあたっては、自社に有利な内容とするのは勿論ですが、あまりにも偏った内容とすると、監督官庁や裁判所に、契約内容の一部または全部が強行法規(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(※)や公序良俗に違反すると判断され、ペナルティを受けることになるので注意が必要です。
(※)略称:風営適正化法、風営法、風適法、風俗営業法など
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の概要
引用:警察庁 風営適正化法の概要(pdfファイル)
考え方
・風俗営業は、健全に営まれれば国民に憩いと娯楽を与える有用な営業であると考えられるが、その営業方法や業務内容が不適正なものとなれば、風俗上の問題を引き起こす可能性があることから、許可制として不適格者をあらかじめ排除し、業務の適正化を通じて健全化を図る対象としている。
・性風俗関連特殊営業は、性を売り物にする本質的に不健全な営業であり、業務の適正化や営業の健全化になじまないものであり、届出制によりその実態を把握し、規制を課して取り締まる対象としている。
風俗営業(法第2条第1項)
接待飲食等営業
1号 料理店・社交飲食店
2号 低照度飲食店
3号 区画席飲食店
遊技場営業
4号 まあじゃん・ぱちんこ等
5号 ゲームセンター等
風俗営業への主な規制(法第12~23条等)
<許可制>
・営業者等の欠格事由(犯罪歴、暴力団員等) ・構造及び設備の基準 ・営業時間の制限等(都道府県条例に委任) ・照度、騒音及び振動の規制
・広告及び宣伝の規制
・料金表示義務
・年少者の立入禁止の表示義務
・接客従業者に対する拘束的行為の禁止等(債務負担等)
・禁止行為(客引き、18歳未満の接待禁止等)
・その他、業態に応じて個別規制
性風俗関連特殊営業(法第2条第6~10項)
店舗型性風俗特殊営業
6項1号 ソープランド
6項2号 ファッションヘルス 3号 ストリップ
6項4号 ラブホテル等
6項5号 アダルトショップ 6号 出会い系喫茶
7項 無店舗型性風俗特殊営業(デリヘル、アダルトグッズ販売)
8項 映像送信型性風俗特殊営業(アダルト映像配信)
9・10項 店舗・無店舗型電話異性紹介営業(テレホンクラブ)
性風俗関連特殊営業への主な規制(法第28条~31条の18等)
<届出制>
・店舗型性風俗特殊営業の禁止区域等 (学校、図書館等の条例で定める施設の周囲200メートル、 条例により厳格な地域規制)
・営業時間の制限(都道府県条例に委任)
・禁止行為(客引き、18歳未満を客とすること等)
・その他、業態に応じて個別規制
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(令和7年6月28日施行)
引用:警察庁 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)(pdfファイル)
背景
いわゆるホストクラブにおいて遊興又は飲食をした女性客が、売掛金等の名目で多額の債務を負担させられ、ホストやホストクラブ経営者から、その支払のために売春することや性風俗店で稼働すること等を要求される事案が発生し、社会問題化している。
→最近における悪質ホストクラブ問題をはじめとする風俗営業等をめぐる情勢を踏まえ、令和7年5月、悪質な営業行為の規制等を内容とする「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律」が成立・公布され、一部の規定を除き、令和7年6月28日から施行されています。
改正の概要
1 接待飲食営業(※)に係る遵守事項・禁止行為の追加
(※)設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
▶ 次の行為を接待飲食営業を営む風俗営業者のしてはならない行為(遵守事項)として規定
• 料金に関する虚偽説明
• 客の恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求
• 客が注文していない飲食等の提供
▶ 次の行為を接待飲食営業を営む者に係る禁止行為として規定(罰則あり)
• 客に注文や料金の支払等をさせる目的での威迫
• 威迫や誘惑による料金の支払等のための売春(海外売春を含む)、性風俗店勤務、AV出演等の要求
2 性風俗店によるスカウトバックの禁止
▶ 性風俗店を営む者がスカウト等から求職者の紹介を受けた場合に紹介料を支払うこと(いわゆる「スカウトバック」)を禁止(罰則あり)(職業安定法で規制)
3 無許可営業等に対する罰則の強化
▶ 風俗営業の無許可営業等に対する罰則の強化
(2年以下⇒5年以下の拘禁刑、200万円以下⇒1千万円以下の罰金
▶ 両罰規定に係る法人罰則の強化
(200万円以下⇒3億円以下の罰金)
4 風俗営業からの不適格者の排除
▶ 次の者を風俗営業の許可に係る欠格事由に追加
• 親会社等が許可を取り消された法人
• 警察による立入調査後に許可証の返納(処分逃れ)をした者
• 暴力的不法行為等を行うおそれがある者がその事業活動に支配的な影響力を有する者
【関係省庁のホームページ】
詳細な法律等の内容や最新の情報については、関係省庁のホームページをご覧ください。
→警察庁 悪質ホストクラブ対策について
→厚生労働省 悪質ホストクラブ対策について
改正風営適正化法の影響を受ける契約書例
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※この記事の監修者:行政書士 岡田旭(MBA)
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